フランス・サヴォワ地方は、スイス、イタリアと国境を接する地域にあります。アルプスの山々と湖からなる、雄大でコントラストに富んだ美しい自然は、世界に名高く、国際的な保養地となっています。

サヴォア・ワインは、リヨンとスイスのジュネーブの間、北緯45~46度、標高200~450mのローヌ川沿いの丘陵地帯やアルプスの山麓で生産されている「山のワイン」。赤ワイン用のモンドゥーズ、ペルサン、白ワイン用のジャケール、アルテス(ルセット)といった固有の地場品種が栽培され、ヴァラエティに富んだワインが造られています。

モンブランのお膝元であるこのエリアは、氷河期にアルプスから流れる氷河に覆われ、丘陵の上には氷河が運んできた堆積物が残っています。これが稀に見るワイン造りに適した土壌となり、冷涼な気候下で、ミネラル感あふれ、酸が生き生きとしたワインが生まれるのです。

サヴォア・ワインの歴史は古く、ローマ帝国時代の哲学者Pliny the Elder(23AD-79AD) が嗜んだという史実があり、農業政策に関する著名な著述家Lucius Junius Moderatus Columella ( 4AD - c. 70 AD)による書物には「ブドウは雪の訪れの時期に熟した」と記載されています。

19 世紀にサヴォア地方で2万ヘクタールの登録があったブドウ畑は、今日、2500ヘクタールと減少しました。しかしながら、近年、こだわりのワイン造りをする情熱的な生産者が増え、サヴォア・ワインは著しく品質が向上し、個性豊かになっています。

モンドゥーズ

サヴォアの地場品種である黒ブドウ・モンドゥーズは寒冷地適合新品種「アロブロジカ」が起源とされる。ちなみに、モンドゥーズの孫にあたる品種がシラーであることがDNA鑑定で判明している。

晩熟でもアルコール度数は低いが、色調は深みのあるガーネット色で、味わいは驚くほど骨格がしっかりしており、滑らかなタンニンと生き生きとした酸を感じとることができる。香りはスパイス、カシス、スミレ、アイリスなどのアロマが広がる。何年も熟成することができる。


ジャケール

白ワイン用のジャケールはサヴォア地方を代表する地場品種。非常にフレッシュでキリッとした酸とミネラル感あふれるワインを生み出す。

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